「北海道みんなの日(道みんの日)」にあたる7月17日、北海道·札幌市内のホテルで「北海道スポーツのみらいを拓く集い(みらいを拓く集い)」が開催されました。
写真:アフロスポーツ
会場内では北海道・札幌2030オリンピック・パラリンピック招致ブースも設置されました。ブースには、北京2022冬季オリンピックの金メダリストの小林陵侑選手、髙木美帆選手の等身大パネルが設置され、この日のために特別に展示された東京2020オリンピック・パラリンピックのメダル、聖火トーチを手に、その重さに驚きながら、多くの子供たちが写真撮影を楽しみました。また、「もし2030年に北海道・札幌でオリンピック・パラリンピックが開催されたら」をテーマに、子供たちが8年後の自分をイメージしながらメッセージを寄せてくれました。
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みらいを拓く集いは、今年3月に新たに制定された「北海道スポーツ推進条例」などを契機に北海道のスポーツ振興を図る新たな官民連携組織「北海道スポーツみらい会議」の設立セレモニーを開催し、また東京2020大会・北京2022冬季大会で活躍した北海道ゆかりのメダリストを称え、道内スポーツ振興及びオール北海道による振興の機運醸成を目的に開催されました。
同会議の会長を務める鈴木直道北海道知事は、東京2020大会、北京2022冬季大会で北海道ゆかりの選手、日本選手が活躍したことでスポーツに対する機運が北海道でも高まり、それを受けて北海道スポーツ推進条例を制定し、さらにその理念を実現するために道内179市町村全てが参加する北海道スポーツみらい会議を設立したことを説明。「この会議のもと、お集まりいただいた皆さまと連携し、スポーツをする人・スポーツを見る人・スポーツを支える人のつながりや裾野をより一層、広げていきたいと考えております」と述べた鈴木知事は、札幌2030大会をはじめとした国際大会の招致・支援をオール北海道で連携して取り組んでいくことを誓うとともに「道民の皆さまとともにスポーツの未来を切り拓いていきたいと思います」と締めくくりました。
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続いて行われたアスリートトークショーには、東京2020大会、北京2022冬季大会でメダルを獲得した北海道ゆかりの選手で、本日の集いに出席した山本優さん(ソフトボール)、池崎大輔選手(車いすラグビー)、小林陵侑選手(スキージャンプ)、森重航選手、佐藤綾乃選手、髙木菜那さん(以上スピードスケート)に加え、スペシャルゲストとして北京2022冬季オリンピックでTEAM JAPANの総監督を務めた原田雅彦さん、同大会でTEAM JAPANの旗手を務めた郷亜里砂さん、進行を務めるナビゲーターとしてオリンピアンの鈴木靖さん(スピードスケート)、パラリンピアンの永瀬充さん(アイススレッジホッケー)、コメンテーターとしてオリンピアンの川端絵美さん(アルペンスキー)が参加しました。
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東京2020大会、北京2022冬季大会について、池崎選手は「僕たち選手の見えないところでたくさんの困難を抱えながらも会場を作って開催してくれた人たちの思い、自国開催への思いをすごく感じていたので、メダルを獲得したとはいえ銅メダルだったのは悔しいの一言でした」、小林選手は「長いシーズンの中の一つの大会でしたが、その中でもすごく記憶に残る試合になりました。調子は本当に試合が始まるまで悪かったのですが、予選で良くなりました」など、思い出話や舞台裏を振り返りました。
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また、「女子パシュートのこのメンバーで6年間ずっと戦うことができて本当に良かった」と語った髙木さんは、見る側として体験した自国開催の東京2020大会に関して「同じアスリートとして、選手にはいろいろな思いがあった1年延期だったのではないかと思っていましたが、様々な思いを乗り越えて臨んだ日本選手たちにはすごく勇気と感動と、私たちも頑張ろうという力をもらえた大会だったと思います。大会が始まる前はいろいろな意見があったかもしれないですが、大会が終わった後はほとんどの人がやって良かったと思えた大会だったのではないのかなと思うので、本当に東京2020大会に出場した選手の皆さんには、私たちは感謝しかありません。日本人全員で作り上げた東京2020大会になったのではないかと思います」と熱い気持ちを述べました。
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会場の子供たちからも多くの質問が寄せられ、普段の食事について森重選手は「肉、海鮮とバランスよく食べています」、山本さんは「野菜を意識的にとっています」と回答したのに対し、池崎選手は「僕は焼肉、寿司、ラーメンです(笑)」と笑顔。睡眠時間についても佐藤選手、森重選手らはアスリートらしく体調を考慮してよく眠るようにしていると答えました。
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一方、札幌2030大会が開催されたら?という質問に対しては、「結婚していたいなとは思いますが(笑)、もし札幌に決まったら、日本中、世界中の皆さんが見て素晴らしいオリンピック・パラリンピックになるよう、私も手助けできたらといいなと思います」と髙木さん。会場の応援の力については小林選手が「観客の方が会場でたくさん応援してくれていると、飛んでいる僕も楽しくなります」と笑顔で話し、スキージャンプを始めたきっかけに関しては「兄がやっていたのがきっかけで、家の前にもジャンプ台を作って飛んでいました。いろいろなスポーツもやっていましたが、やっぱりジャンプが良かったですね」と振り返りました。
最後に、今後の目標や活動について、トークショーに参加した選手、ゲストは以下のように述べました。
■山本優さん
「私は昨年で現役生活を引退しましたが、やはり現役のときに感じたのはたくさんの方に支えられたということです。これからは、ソフトボールができる環境がなかなか整っていないというところもありますので、できるだけ多くの子供たちに楽しんでいただけるような環境を作っていきたいなと思っています」
■池崎大輔選手
「僕はリオで銅、東京で銅。このままでは終われないので、パリではしっかり金メダルをとれるように、今44歳ですが、パリに向けてすごく頑張っています。それと同時に、たくさんの人にパラスポーツの魅力、またパラスポーツを始めるきっかけ、やりたいときにやれる環境というものをしっかりつくっていけるように動いていきたいなと思います。次世代にしっかりバトンを渡し、これからもどんどん夢や希望を持てるスポーツや人生を歩んでいける環境をつくっていきたいと思っています」
■小林陵侑選手
「もちろん次のミラノ・コルティナオリンピックもそうですし、その先も目指していきたいと思いますが、とりあえずは次の1勝を目指して頑張っていきます」
■佐藤綾乃選手
「まだ4年後のオリンピックの目標というものは明確にはなっていないですが、私が世界のトップで戦えるようになってから6年、菜那さん含めて同じメンバーでずっとやってきました。そのナショナルメンバーが今年ガラッと変わったので、考えながら進めているところがあるのですが、まずは今の私よりも一段階上のレベルで戦えることができるように頑張っていきたいと思います」
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■森重航選手
「前回の北京大会よりもまた4年間かけて次のオリンピックに臨めるので、4年後、8年後に向けて1年、1年成長していきたいと思っています」
■髙木菜那さん
「私は今、自分がこれから何をできるのかということをいろいろと模索しながら歩んでいる途中です。その中で今までの髙木菜那はいろいろな人と出会い、支えられ、そしていろいろな人からもらったきっかけでここまで来ることができたのかなと思っていますので、これからは一般の人やまだスポーツを始めていない子供たち、そしてプロやオリンピック、世界の大会などいろいろなことに夢に向かって走り始めている子供たちに、何か私の言葉でいろいろなきっかけを作ってあげられるような活動ができればいいなと思っています」
■原田雅彦さん
「北海道に生まれて本当に良かったなと思います。北海道に生まれたからその競技に出会えたと思いますし、だからこそオリンピック・パラリンピックへの道が開けたと思います。北海道のスポーツ選手はみんな家族みたいなもの。そういったスポーツを見る温かさが北海道にはあると思いますので、これからも北海道から子供たちがまた新たな歴史を作っていってほしいなと思っています」
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■郷亜里砂さん
「私も北海道・札幌でオリンピック・パラリンピックが開催されることにすごく期待していますし、道民のアスリートたちにとっても北海道·札幌でオリンピック・パラリンピックができればこんなにうれしいことはないのかなと思います。オリンピック・パラリンピックの感動、雰囲気を北海道で皆さんに直接見てもらって、何か感じてもらえることがあればいいなと思っています」
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