写真:アフロスポーツ
6月10日(金)、札幌市内で第2回北海道・札幌2030オリンピック・パラリンピックプロモーション委員会が開催されました。本会議には会場とオンライン合わせて、31名の委員が出席。岩田圭剛会長の進行のもと、まず第1回委員会の内容を振り返り、意見として多く寄せられた「SDGs」「共生社会」「経済・まちづくり」「レガシー」を、今後の委員会の主要テーマとしていくことが発表されました。今回のテーマは「共生社会」です。
初めに、パラリンピアンで国際パラリンピック委員会(IPC)理事でもあるマセソン美季委員が「私たちが目指したい共生社会の姿とその実現に向けた取り組みについて」と題して基調発言を行い、在住しているカナダでの経験をもとに、札幌に期待する街づくりの方針として「除雪などの困りごとを減らすための仕組みづくりや、スポーツ・雪遊びといった雪国ならではの冬の楽しみ方が実感できる取り組みを増やすこと」「冬場のバスサービスやモビリティを向上させる取り組みや、雪冷房のように環境と経済の好循環ができるテクノロジーを世界に向けて発信する機会になれば」と提案しました。
続いて、「共生社会の実現に向けて~東京2020から北海道・札幌2030へ~」と題し基調発言を行ったパラリンピアンで日本パラリンピック委員会の委員長でもある河合純一委員は、共生社会の実現のための3つのステップとして「knowing」「doing」「being」を紹介。「東京2020大会を経て国民の皆さんは今、 障がい者に対して『knowing』という第1段階だと思いますが、『doing』でどう行動しようか悩んでいるとよく聞く。しかし、これは意識すればできることであって、本当は困っている人がいたら誰もが自然に助け合える『being』な状態を目指していくことを前提に、『doing』という第2段階をいつまでに・どのようにクリアできればいいかと考えていくことが重要」と述べました。
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次にマセソン委員、 河合委員の基調発言を受けての意見交換が行われ、 出席したメンバーからは障がいの観点だけでなく民族・文化、ジェンダーの視点からも共生社会の実現へ向けた意見が寄せられました。
「幼児期からあらゆる機会で運動に親しむことができる環境を整えることが非常に重要」
「バリアフリーや共生社会を考えるにあたって、いろいろな人たちが準備の段階から中心的に関わって進めていく、そうすれば本当に素晴らしい大会、社会ができていくのではないか」
「先住民族の考え方は世界中にあり、日本の文化にも自然と共生した素敵な文化がある。 それをみんなで思い出して、新たな発信をしていけたら多民族、多文化、共生が実現される契機になるのでは」
「多様な人が安心して心地よく過ごすためには、やはりまずは知ること。子供たちの教育は大事で、行動を一緒にすることによって分かること、気づくことはたくさんある。そんな機会をオリンピック・パラリンピックを通してたくさん作っていただきたい」
「パラリンピックを街でやることによってハード面が必ず進んでいく。そして心のバリアフリーという面でも効果が必ずあるということが証明できるのではないか。一方で、東京オリンピックが終わって間もないのにまたオリンピックの話かということがあるかもしれないが、東京オリンピックでやってきたことの課題・反省点をお伺いしたことによって、むしろこれが継続してやっていくことに意味があるのではないか。」
「街づくりの関係で、具体的な目標値をもって2030年まで目指していくことが非常に重要なこと。ハード、ソフト、そしてやはり教育の面でパラリンピックの開催ということがこの札幌にとって非常に大きな意味を持つ」
「共生社会の実現に向けてぜひ、札幌2030大会は我々が大きく変わるチャンスにしていかなければいけない。東京2020大会のレガシーをしっかり受け継いで、2030年につなげていくことは我々の責務だと思っている」
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プロモーション委員会では、委員の皆さまからいただいた意見をもとに、今後も議論を一層深め、市民・道民・国民の共感を得られる2030年大会を描いていきます。次回の会議は「レガシー」をテーマに、7月26日(火)に開催予定です。
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