チーム内最年少のバスケットボール女子日本代表として東京2020大会では同競技史上初となる銀メダル獲得に貢献した、北海道・札幌市出身の東藤なな子選手。東京2020大会で経験した自国開催の素晴らしさ、地元・札幌でのオリンピック・パラリンピック開催への思いをお伺いしました。


ボランティアの皆さんの応援がすごく印象に残っています


――東京2020大会から1年が経ちますが、大会の中で一番思い出に残っていることは何でしょうか?


準々決勝ベルギー戦の逆転劇が印象的でした。私はベンチにいたのですが、実際にチームとして経験できたというのは自分の経験にもなりますし、金メダルを目標としてやってきたので、実際に目指してきたものがどんどん近づいてきているという実感がとてもわいてきました。


――確かにあの土壇場での大逆転は見ている側としてもとても興奮した試合でした。では、競技以外のことも含めて「これがオリンピック」「オリンピックならでは」と思った出来事はありましたか?


選手村で開会式の前にオリンピックシンボルの前でみんなで写真を撮っていたのですが、アメリカ代表のNBA選手も来ていて一緒に写真を撮っていただきました。その時に、オリンピックという舞台だからこそ味わえる特別な時間なのだと思いました。他の競技の選手との交流では、閉会式で並んでいるときに私の後ろに卓球の平野美宇選手がいて、一緒に写真を撮ったり、お話をしたりしました。


――それはいい交流ができましたね。ちなみに東藤選手と平野選手の年齢は?


同い年です。なので、自分から「同い年です」といった形で話しかけて(笑)


――そうしたところから他競技の選手との交流が生まれるのもオリンピックのいいところですよね。ボランティアの方たちとの交流はありましたか?


会場は無観客でしたが、その代わりにボランティアの方たちが決勝戦に応援に来ていただいて、その時のボランティアの皆さんの応援がすごく印象に残っています。



札幌の良さをもっと世界に知ってほしい


――お客さんが会場に来られなかった分、地元ボランティアの皆さんの応援は大きな力になりますよね。その経験も踏まえて、自国でオリンピックが開催されることの良さ、意義はどこにあると感じていますか?


実際にその良さを体感したのは移動中のバスで、沿道の方たちが手を振るなどしてくれて、応援してくれる気持ちが伝わりました。自国で皆さんが手を振ってくれたり、応援してくれる姿を見せてくださったので、本当に背中を押してもらえる気分で「よし、頑張ろう!」という強い気持ちになりました。


――自国開催のオリンピックで素晴らしい経験をしましたね。2030年の招致を目指している北海道・札幌冬季オリンピック・パラリンピック大会ですが、地元・札幌出身の東藤選手としてはこの大会招致についてはどのように思っていますか?


ぜひ開催してほしいと思っています。まず、自分は札幌が本当にすごく好きで、地元の人柄もすごく好きですし、札幌という土地も食べ物も好きです。そうした札幌の良さというものを世界に知ってほしいと思っています。また、実際に札幌でオリンピック、パラリンピックが開催されたら、自分も何か力になれるのではと思っています。


――札幌愛があふれる東藤選手として、特に世界にアピールしたい札幌の良さを具体的に教えていただけますか?


北海道に帰ってきたときに感じるのは空気のおいしさですね。また、自然に触れられる場所も多いので、その大自然の中でできるスポーツを通して札幌の良さを世界に広めていけるのではないかなと思っています。


――1972年に札幌オリンピックが開催されたことで、インフラが整備されるなど街は大きく発展しました。今回、2度目のオリンピック、初めてのパラリンピックを招致することで50年、100年先の札幌をもっと素晴らしい街にしていこうという思いも込められています。東藤選手は札幌2030大会を機に札幌、北海道はどのような街になってほしいでしょうか?


札幌は世界の中でも魅力的な街に選ばれたというニュースをよく目にするのですが、それでも私としてはもっと賑わってもいいのかなと思っています。もしオリンピック・パラリンピックが開催されたら、またいろいろな施設が整備されるなどして、これまで以上に札幌に興味を持ってくれる人が増えたらいいなと思います。



どんな形でも札幌2030大会に関わりたい


――これまでお答えいただいたことも含めて、札幌2030大会に一番期待していること、大会開催への東藤選手の思いをお聞かせください。


私の地元の札幌は自然が豊かですし、食事もおいしくて、本当に魅力的な街だと思っています。ですので、オリンピック・パラリンピックの開催をきっかけに札幌のことをもっともっと世界に知ってもらって、街がもっともっと賑わってほしいと思います。また、そうした街になるのが本当に楽しみです。


――最後になりますが、2030年に札幌オリンピック・パラリンピックが開催されたら、東藤選手はどのようになっていると想像しますか?


2030年は30歳なので、競技を続けているかどうかはまだ分かりませんが、地元開催ですのでボランティアも含めてどのような形でもいいので大会に関わることができればと思っています。



東藤なな子(とうどう・ななこ)

バスケットボール女子で東京2020大会に出場。銀メダルを獲得。TEAM JAPANネクストシンボルアスリート。

 

写真:フォート・キシモト